【コラム】NTT(9432)の株価はなぜ冴えない? ― 高配当・累進配当の長期投資家としての見方

コラム

私が保有しているNTT(日本電信電話・9432)の株価が、ここ最近ぱっとしません。長期では右肩上がりを期待したいところですが、短期的には横ばい、もしくはじわじわと下げる展開が続いています。今日はこの「冴えない株価」の背景を、高配当・長期保有の個人投資家の目線で整理してみます。

1. まず現状を数字で確認

項目数値(2026年6月18日時点)
現在値約146.9円
52週レンジ高値167.2円 / 安値144.3円(今は安値圏)
1年騰落率約 -4.5%
3年騰落率約 -10.2%(横ばい〜じわ下げ)
予想年間配当5.4円(16期連続増配)
予想配当利回り約3.7%

数字で見ても、現在値は52週安値のすぐ近く。「短期は横ばい〜やや下げで、安値圏のもみ合い」という体感は、その通りの状況です。

2. 業績や還元は、むしろ堅実

意外に思われるかもしれませんが、業績が悪いから株価が冴えないわけではありません。2026年3月期決算(5月8日発表)は増収増益でした。

  • 営業収益 約14.4兆円(前期比 +5%前後)、営業利益・純利益とも増益
  • データセンターやグローバル事業が成長を牽引
  • 上限2,000億円規模の自社株買いを決議
  • 配当と自社株買いを合わせた総還元性向は純利益の60%超
  • 2026年度の配当予想は5.4円で、16期連続増配・累進配当を継続

つまり「稼ぐ力」も「株主への還元姿勢」もしっかりしています。ではなぜ、株価は重いのでしょうか。

3. それでも株価が重い、5つの理由

  • ① 利益の伸びが「緩やか」。 増益とはいえ年+3〜5%程度。通信は成熟産業で、市場が高い成長を織り込みにくく、株価が上がりづらい。
  • ② 金利上昇が逆風。 NTTのような高配当ディフェンシブ株は「債券の代わり」として買われてきましたが、金利が上がると相対的な利回り魅力が薄れ、資金が抜けやすくなります(REITが下げているのと同じ構図です)。
  • ③ 2023年の25分割後、個人の買いが先行した反動。 新NISAで人気化し買いが集中した反動で、戻り売りが出やすい需給になっています。
  • ④ 高値(170円台)からの戻りが鈍い。 高値で買った層の「やれやれ売り」が上値を抑えます。
  • ⑤ NTT法・政府保有という固有要因。 制度面の不透明感が、ときどき重しになります。

4. 私の保有状況

私はNTTを平均取得単価156円で保有しており、現在値146.9円に対して約-5.8%の含み損という状況です。ただ、私は一度に買ったわけではなく、2023年から10株ずつコツコツ買い増しを続けてきました。一番安く拾えたときは138.9円(2025年4月)で、下げ局面でも淡々と買い増せています。

含み損とはいえ、累進配当の銘柄を安値圏で少しずつ積み増せているので、私自身はあまり悲観していません。取得単価156円・配当5.4円なら、取得単価ベースの利回りは約3.5%。さらに安く買えた分は、それ以上の利回りになっています。

5. 高配当・長期投資家としての見解

NTTは「短期で大きく値上がりする株」ではありません。キャピタルゲイン(値上がり益)を狙う人には、正直もどかしい値動きでしょう。ですが、累進配当・大型自社株買い・減配リスクの低さは、私の「高配当×長期保有×NISA」というスタイルと非常に相性が良いと感じています。

株価が安値圏にあるということは、裏を返せば配当利回りが上がっているということ。1343(J-REIT)やREITの記事でも書いた通り、私はこうした局面を「下げ=利回りの良い買い場」と捉えています。値上がりを待つより、配当をもらいながら口数を増やし、増配の恩恵を長く受け取る。NTTは、まさにそういう”地味だけど効く”銘柄だと思っています。

6. 注意しておきたいリスク

  • 成熟産業ゆえ、今後の利益が伸び悩む可能性
  • 金利がさらに上がれば、株価の重さは続きうる
  • 携帯料金の競争や大型の設備投資の負担

これらは頭に入れつつ、それでも「配当をもらいながら長く持つ」前提なら、今の安値圏はむしろ分が悪くない、というのが私の結論です。

まとめ

NTTの株価が冴えないのは、業績が悪いからではなく、「成長の鈍さ」と「金利上昇」という、いわば株価の見られ方の問題が大きい。私は含み損を抱えながらも、累進配当を信じて安値圏でコツコツ買い増す方針を変えません。お祭り銘柄のような派手さはありませんが、長期のインカム投資には、こういう銘柄こそ頼りになると考えています。

免責事項

本記事は筆者個人の投資記録および見解をまとめたものであり、特定の銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。記載した数値は記事執筆時点(2026年6月18日)の情報・報道に基づく概算です。投資判断はご自身の責任において、最新のIR情報をご確認の上で行ってください。

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