このところ、NTT(9432)もJ-REIT(1343)も、なんだか冴えない値動きが続いています。実はこの2つ、下げている「共通の犯人」がいます。それが金利の上昇です。今日は、私たち高配当・長期投資家にとって避けて通れない「金利と高配当株の関係」を、できるだけやさしく整理してみます。
今、金利はどうなっている?
日本の金利は、ここ数年で大きく上がっています。日銀は政策金利を1.00%まで引き上げ、長期金利の目安となる10年国債の利回りは約2.7%と、およそ30年ぶりの高水準になっています。長く「金利のない世界」だった日本が、「金利のある世界」へ戻りつつある、という大きな変化の途中です。
なぜ金利上昇が高配当株・REITの逆風になるのか
理由は大きく2つあります。どちらもシンプルです。
- ① 「安全な債券」の魅力が増すから。 これまでは銀行預金も国債もほぼ0%だったので、「リスクを取ってでも配当4%の株を買おう」という人が多くいました。でも国債で2%台がもらえるようになると、「わざわざ株でなくても…」と、高配当株から債券へお金が流れやすくなります。高配当株の相対的な魅力が下がるのです。
- ② 借金のコストが増えるから。 NTTやREITは、お金を借りて設備や不動産に投資しています。金利が上がると利払いが増えて利益が圧迫されます。実際、先日のNTTの減益見通しも、一因はこの金利コストでした。REITも借入で物件を買うので、同じ逆風を受けます。
NTTもREITも「ディフェンシブな高配当」という同じ性格を持つため、金利上昇局面では揃って売られやすい——これが、最近そろって冴えない理由です。
でも、長期投資家には「悪いことばかり」ではない
ここからが大事なところです。金利上昇は、私たちのような配当を目的にした長期投資家にとっては、必ずしも敵ではありません。
- 株価が下がる=配当利回りが上がる。 同じ配当を、より安く・より高い利回りで買えるチャンスになります。下げ局面は「仕込み場」でもあるのです。
- 配当・分配金は受け取り続けられる。 株価が下がっても、配当そのものが消えるわけではありません。持っているだけで現金は入り続けます。
- 累進配当の銘柄は減配しにくい。 NTTのように「減配しない」方針を掲げる企業は、業績が多少凹んでも配当を守る傾向があります。株価が下げても、配当という土台は崩れにくい。
さらに言えば、金利上昇はいつか必ず一服します。そのとき、これまでの「債券に資金が流れる」「借入コストが重い」という逆風は、逆に追い風へ変わる可能性があります。今は、その我慢の時期とも言えます。
私自身は、どうしているか
私はこの考えに基づいて、実際に動いています。先日はNTTを安値圏(終値144.4円)で単元未満株を使って買い増しましたし、J-REIT(1343)も下げた局面でコツコツ拾ってきました。派手な売買ではなく、「下げたら、無理のない範囲で少し買う」を淡々と繰り返しているだけです。金利が逆風になっている今こそ、利回りの上がった優良な高配当資産を、ゆっくり集める時期だと考えています。
逆に、やらないほうがいいこと
- 金利を「当てにいく」売買。 金利の先行きはプロでも読めません。「金利が上がるはず/下がるはず」と決め打ちした短期売買は、私たちの土俵ではありません。
- 下げに驚いての狼狽売り。 配当という目的を見失って、安いところで投げてしまうのが一番もったいない動きです。
- 無理な集中・借金しての投資。 あくまで生活防衛資金とは切り離した、余裕資金の範囲で。
まとめ ― 金利は「敵」ではなく「風」
金利上昇は、確かに高配当株やREITの株価には逆風です。でも、配当を受け取りながら長く持つ私たちにとっては、株価を下げて利回りを上げてくれる「風」でもあります。風向きは自分ではコントロールできません。だからこそ、特定の銘柄に賭けすぎず、円とドル・株と投資信託に分散しながら、淡々と積み上げる。金利のある世界が戻ってきても、私たちのやることは、いつも通りで大丈夫だと思っています。
免責事項
本記事は筆者個人の見解をまとめたコラムであり、特定の銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。記載した数値は記事執筆時点(2026年6月21日)の情報・報道に基づく概算です。投資判断はご自身の責任において行ってください。


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