【決算レポート】大和ハウス工業(1925)2026年3月期|来期減益見通しをどう見るか・長期保有の視点

決算速報レポート

今回は私が保有する大和ハウス工業(証券コード:1925)の2026年3月期本決算レポートをお届けします。今期は純利益が過去最高水準を更新した一方、2027年3月期の見通しでは減益が予想されています。来期の減益をどう評価するか、長期保有の観点から正直にお伝えします。

会社概要|住宅から物流まで幅広く手がける総合デベロッパー

大和ハウス工業は1955年創業、大阪府大阪市に本社を置く日本最大級の総合デベロッパーです。事業の柱は多岐にわたります。

  • 戸建住宅:注文住宅「xevo(ジーヴォ)」シリーズ
  • 賃貸住宅:「D-room」ブランドの賃貸アパート・マンション
  • 物流施設:大型物流倉庫の開発・運営(eコマース需要を取り込む)
  • 商業施設:「ロピア」など大型店舗のテナントリーシング
  • 海外事業:米国・オーストラリア・東南アジアなどグローバル展開

2026年3月期には海外売上高が初の1兆円超えを達成。米国の戸建・賃貸事業が成長をけん引し、国内外でバランスよく稼ぐ体制が整ってきました。

業績推移テーブル|直近4期+来期予想

過去4期と2027年3月期の予想を一覧でまとめました。

決算期売上高営業利益純利益配当金(1株)
2023年3月期4兆9,081億円4,653億円3,083億円130円
2024年3月期5兆0,534億円3,800億円2,630億円143円
2025年3月期5兆4,357億円5,460億円3,251億円150円
2026年3月期(実績)5兆5,768億円6,148億円3,505億円175円
2027年3月期(予想)5兆8,000億円4,000億円2,270億円176円※
※2027年3月期の配当は株式分割を考慮した発表前の概算値。実際の配当は分割後の株数に基づき決定。

配当金は2010年頃から16期連続の増配を達成。景気の波があっても増配を続けてきた株主還元への姿勢は、長期投資家にとって大きな安心材料です。

最新決算のポイント|2026年3月期は過去最高水準

✅ 純利益3,505億円・前期比7.8%増で着地

2026年3月期の連結業績は全利益段階で増収増益を達成しました。売上高5兆5,768億円(前期比+2.6%)、営業利益6,148億円(同+12.6%)、純利益3,505億円(同+7.8%)というしっかりした内容です。

特に注目すべきは海外売上高が初めて1兆円を突破した点。米国での戸建住宅・賃貸住宅事業が成長エンジンとなり、国内建設市況の不確実性をカバーしています。また、第7次中期経営計画の最終年度(2027年3月期)目標を1年前倒しで達成したことも経営陣の実力を示す成果でした。

📊 2026年3月期の配当:175円(16期連続増配)

年間配当は通常配当165円に加え、創業70周年記念配当10円が上乗せされ合計175円となりました。記念配当分を除いた通常配当での増配も継続しており、株主還元の姿勢は一貫しています。

⚠️ 来期(2027年3月期)の減益見通し|正直に向き合う

今回の決算で最も注目を集めたのが、2027年3月期の大幅減益予想です。会社の公式発表では純利益2,270億円(前期比約16%減)、報道では「一時的要因を除いた経常的な利益ベースで16%減」という表現もあります。営業利益ベースでは前期比約35%の大幅な減少が見込まれており、決して楽観できない内容です。

減益の主な要因:建材調達難と中東情勢

  • 建材・住設機器の調達難:断熱材・塩化ビニール管・塗料など主要建材が全般的に値上がりし、物量も不足。断熱材や住設機器は「7月以降の納期についてメーカーから回答が来ない」状況
  • 中東情勢の悪化:中東緊張が原材料の調達コストを押し上げ、2027年3月期の売上に約3,000億円、営業利益に約1,000億円の下押し要因と試算
  • 工事遅延リスク:上記の調達難により、住宅引き渡しが後ろ倒しになる可能性。これは売上計上の先送りにつながる

一時的か?構造的か?

この減益は一時的な地政学リスクと供給制約が主因と見ることができます。根拠は以下の通りです。

  • 物流施設・商業施設の需要は引き続き堅調であり、事業モデル自体は崩れていない
  • 米国事業は継続成長しており、海外収益が国内リスクをある程度吸収する見込み
  • 来期売上高は5兆8,000億円(前期比+4.0%増)と増収予想を維持している
  • 中東情勢は不確実だが、歴史的には地政学リスクは時間とともに織り込まれる傾向がある

一方で、楽観視できないリスクも存在します。建材調達難が長期化した場合、2027年3月期だけでなく翌期以降にも影響が残る可能性があります。また、国内労働力不足も慢性的な課題です。

減益要因は外部環境に起因するものが中心。ただし、調達難が長期化するリスクは引き続き注視が必要。

配当金・株主還元の魅力|16年で配当額が大幅成長

大和ハウス工業の株主還元で特筆すべきは長期の増配実績です。2010年頃の年間配当は約18円(現在の株式分割前換算)でしたが、2026年3月期には175円と、約10年で10倍近くにまで増配してきました(ダイヤモンドZAI報道)。

会社は配当方針として「連結配当性向35%以上・最低配当145円(分割前換算)を保証」としており、業績が多少ぶれても増配基調を維持することを明言しています。2027年3月期も、減益局面ながら配当176円(分割考慮前概算)を予想しており、株主への還元姿勢は崩れていません。

保有状況と損益|含み益はどれくらい?

私の保有状況はこちらです。

項目内容
取得単価3,057円
現在値4,768円
含み益約+56%(約1.6倍)
年間配当収入175円 × 保有株数分

取得単価3,057円に対して現在値は4,768円と約1.6倍の評価額になっています。配当受取も順調で、長期保有の複利効果を実感しています。

NISAとの相性|100株想定でシミュレーション

NISA(成長投資枠)で100株を現在値で保有した場合のシミュレーションです。

項目金額(100株想定)
購入金額(現在値ベース)4,768円 × 100株 = 476,800円
年間配当(2026年3月期実績)175円 × 100株 = 17,500円
配当利回り(現在値ベース)約3.67%
通常課税(約20%)の場合17,500円 × 80% = 約14,000円(手取り)
NISA(非課税)の場合17,500円 全額受取
NISA節税効果(年間)約3,500円
5年間の配当合計(NISA・配当維持仮定)約87,500円
※配当額は将来の変動があります。NISA非課税効果は税制変更により変わる場合があります。

NISAの成長投資枠(年間240万円)の範囲内で購入でき、NISA口座なら配当に対する税金がゼロになります。長期保有で増配が続く銘柄ほどNISAとの相性が良いため、大和ハウスはNISA活用銘柄として有力な選択肢の一つです。

個人株主としての見解|来期減益は長期保有方針を変えるか?

正直に言うと、今回の2027年3月期の減益予想は予想外の大きさでした。営業利益ベースで約35%の大幅減という数字は、短期的には株価への下押し圧力になりうる内容です。

それでも私が長期保有を続ける理由は以下の通りです。

  • 減益要因が外的・一時的:中東情勢や建材調達難は会社の本業競争力とは無関係。同社のビジネスモデル(物流・商業・海外成長)は崩れていない
  • 増配継続の実績と姿勢:16期連続増配という事実は、経営陣が株主還元を経営の中心に置いていることの証明
  • 売上高は増収予想:利益は落ちても売上は増える予想。工事遅延が解消されれば翌期以降の利益回復が期待できる
  • 含み益のクッション:取得単価3,057円から現在4,768円と大きな含み益があり、多少の株価下落には耐えられる

もちろん楽観的すぎることはいけません。建材調達難が慢性化し、工事遅延が複数年にわたる場合は、業績の本格回復が遅れる可能性があります。来期(2027年3月期)の中間決算(2026年11月発表予定)で、調達状況の改善が見られるかどうかを確認するのが次の判断ポイントと考えています。

「減益=売り」ではなく、「なぜ減益なのか」を冷静に見極めることが長期投資の基本。今回の減益は外部要因が主因であり、長期保有方針を変える必要はないと判断しています。

まとめ

  • 2026年3月期は純利益3,505億円・前期比7.8%増と好決算。海外売上高が初の1兆円超え
  • 2027年3月期は純利益2,270億円(会社発表比16%減)の減益見通し。建材調達難・中東情勢・工事遅延が主因
  • 来期の営業利益は前期比約35%減と大幅な落ち込みを見込んでいる点は重く受け止めるべき
  • 配当は16期連続増配を継続。来期も配当維持の姿勢
  • 減益要因は一時的・外的なものが中心。長期保有方針は維持しつつ、中間決算での状況確認が重要

【免責事項】

本記事は個人投資家の体験・情報収集に基づく記録であり、特定の銘柄への投資を勧誘・推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。株式投資には元本割れのリスクがあります。記載の業績数値・予想は執筆時点の情報であり、実際の業績・配当は将来において変わる可能性があります。詳細は必ず大和ハウス工業の公式IRページをご確認ください。

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