2026年6月10日、保有銘柄のアルトナー(2163)が2027年1月期 第1四半期決算を発表しました。発表前に書いた決算発表予測の記事の答え合わせも兼ねて、結果を整理します。
1. 会社概要
アルトナーは、電気・電子・機械・情報など幅広い分野の技術者を自社の正社員として採用し、メーカーや研究機関へ派遣・常駐させる「技術者派遣・受託開発」を主力事業とする独立系エンジニアリング会社です。決算期は1月期で、今回発表されたのは2027年1月期の第1四半期(2026年2月〜4月)決算です。
2. 業績推移テーブル
| 年度 | 売上高 | 経常利益 | EPS |
|---|---|---|---|
| 2022年1月期 | 81.0億円 | 10.3億円 | 68.59円 |
| 2023年1月期 | 92.4億円 | 12.0億円 | 84.24円 |
| 2024年1月期 | 101.1億円 | 15.3億円 | 98.99円 |
| 2025年1月期 | 111.3億円 | 18.2億円 | 118.64円 |
| 2026年1月期 | 120.5億円 | 18.2億円 | 118.47円 |
| 2027年1月期(予) | 140.2億円 | 20.0億円 | 117.46円 |
通期では13期連続の増収増益を計画しており、今回の第1四半期はその初っ端の進捗確認となります。
3. 決算ポイント(第1四半期実績)
| 項目 | 1Q実績 | 通期計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 35億300万円 | 140億2,100万円 | 25.0% |
| 営業利益 | 6億3,200万円 | 20億1,700万円 | 31.3% |
| 経常利益 | 6億3,000万円 | 20億100万円 | 31.5% |
| 四半期純利益 | 4億2,500万円 | 12億4,800万円 | 34.1% |
| EPS | 40.06円 | 117.46円 | 34.1% |
- 売上高の進捗は25.0%とちょうど4分の1ペースですが、利益は経常31.5%・純利益34.1%と計画を上回るペースで進捗しており、好スタートと言える内容でした。
- 1Qの営業利益率は約18.0%と高く、予測記事で気にしていた「利益率の低下」については、少なくとも期初時点では心配のない滑り出しです。
- なお、2026年1月期 第3四半期から連結財務諸表に移行した関係で、前年同期との増減率は開示されていません。この点は数字を読むうえで注意が必要です。
- 通期業績予想・配当予想(年間86円)はいずれも据え置きでした。
4. 通期(2027年1月期)会社予想 ― 据え置き
| 項目 | 2027年1月期 会社予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 140億2,100万円 | +16.4% |
| 営業利益 | 20億1,700万円 | +10.7% |
| 経常利益 | 20億100万円 | +9.8% |
| 当期純利益 | 12億4,800万円 | -0.9% |
| EPS | 117.46円 | ― |
1Qの利益進捗が3割を超えているため、このペースが続けば通期計画の達成、さらには上振れも期待できる位置につけています。13期連続増収増益の達成に向けて順調な滑り出しです。
5. 配当の魅力
| 年度 | 1株配当 | EPS | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2022年1月期 | 34.5円 | 68.59円 | 50.3% |
| 2023年1月期 | 60円 | 84.24円 | 71.2% |
| 2024年1月期 | 75円 | 98.99円 | 75.8% |
| 2025年1月期 | 82円 | 118.64円 | 69.1% |
| 2026年1月期 | 84円 | 118.47円 | 70.9% |
| 2027年1月期(予) | 86円 | 117.46円 | 約73.2% |
今回の短信でも年間配当予想は86円(中間43円・期末43円)で据え置きとなりました。実現すれば6期連続の増配です。配当性向は約73%と、会社方針の「安定的な配当の実施」(おおむね70%前後)に沿った水準が続いています。
NISA口座で100株保有していると仮定した場合、年間配当86円なら年間8,600円の配当金を非課税で受け取れる計算になります(税引前と税引後が同額)。
6. 類似銘柄との比較
技術者派遣業界の主な同業他社と指標を比較してみます(数値は2026年6月11日時点の株予報Pro・Yahoo!ファイナンス等に基づく概算です)。
| 銘柄(コード) | PER(予) | 配当利回り(予) | 配当性向の目安 |
|---|---|---|---|
| アルトナー(2163) | 約16.3倍 | 約4.5% | 約73%(予) |
| メイテックグループHD(9744) | 約16.8倍 | 約6.0% | 約100%(高還元方針) |
| アルプス技研(4641) | 約11〜13倍 | 約4.1〜4.5% | 50%方針 |
| オープンアップグループ(2154) | 約13倍 | 約4.7% | 約52% |
業界全体が高配当傾向のなか、アルトナーは配当性向70%台で増配を続けながら、13期連続増収増益を狙う成長性が持ち味です。1Qで利益進捗3割超を確保したことは、この成長シナリオの確度を高める材料だと考えています。なお、業界最大手のテクノプロ・ホールディングス(6028)はTOB(株式公開買付け)により上場廃止となる予定で、業界再編の動きにも引き続き注目しています。
7. 保有状況
私はアルトナーを取得単価1,909円で保有しています。決算発表翌日(6月11日)の株価は1,909円前後と前日比でやや下げており、ちょうど取得単価と同水準です。好内容の決算でしたが、前年同期比が開示されないこともあってか、株価の初動は落ち着いた反応でした。配当利回りは今期予想86円ベースで取得単価に対して約4.5%と高水準です。
8. NISAとの相性
アルトナーはROE25%超・ROA15%超と資本効率が高く、配当性向70%前後を維持しながら増収増益・増配を続けている銘柄です。配当利回りも4%台と高く、非課税で配当を受け取れるNISA(成長投資枠)での長期保有に適した銘柄の一つだと考えています。一方で、株価が値上がりした際の値幅も大きい銘柄なので、取得タイミングによって利回りが変わる点には留意が必要です。
9. 個人株主としての見解
利益ベースで進捗3割超という1Qの数字は、13期連続増収増益という高いハードルに対して心強い滑り出しだと受け止めています。予測記事で気にしていた利益率の低下も、期初時点では杞憂に終わりました。前年同期比較が開示されない点だけはモヤッとしますが、進捗率で見る限り順調です。配当も86円予想(6期連続増配)が据え置かれており、方針通り。引き続き安心して長期保有を続けたいと思います。次のチェックポイントは中間決算での進捗確認です。
10. 免責事項
本記事は筆者個人の投資記録および見解をまとめたものであり、特定の銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。記載した数値は記事執筆時点の情報に基づくものです。投資判断はご自身の責任において、最新のIR情報をご確認の上で行ってください。


コメント