【コラム】オルカン第8期、数字で3分。― 運用報告書を「数字だけ」もう一度読む

オルカン第8期運用報告書を数字で3分にまとめた記事のアイキャッチ。騰落率+48.0%、基準価額35,924円、純資産11.3兆円、総経費率0.07% コラム

オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式・オール・カントリー)の第8期運用報告書、読みましたか? 正直なところ、全20ページを開く時間がない——そんな方が大半ではないでしょうか。私も同じで、「読みたい。でも後回しにして結局読まない」を毎年繰り返しそうになります。

そこで今回は、報告書をもう一度読み直して、数字だけを拾いました。解説は最小限。表と図だけざっと眺めれば、3分で第8期の全体像がつかめる構成にしています。じっくり派の方は、先日公開した初心者向けのポイント解説記事とあわせてどうぞ。

※以下の数字はすべて、三菱UFJアセットマネジメントの交付運用報告書(第8期:2025年4月26日〜2026年4月27日)から拾ったものです。

1. 成績 ― 数字4つ

基準価額24,270円 → 35,924円
騰落率+48.0%
ベンチマーク(MSCI ACWI)+47.8%(差 +0.2pt
分配金0円(全額を内部で再投資)

指数に連動させるのが仕事のインデックスファンドが、コストを引かれてなお指数を0.2pt上回りました(配当税率の差などの技術的要因)。「連動の精度」という本業で満点回答です。

2. 5年間の歩み ― 基準価額は2.4倍

決算日基準価額年間騰落率純資産総額
2021/414,681円1,553億円
2022/416,958円+15.5%5,065億円
2023/417,562円+3.6%1兆170億円
2024/424,005円+36.7%3兆902億円
2025/424,270円+1.1%5兆3,176億円
2026/435,924円+48.0%11兆2,878億円
オルカンの基準価額5年推移の折れ線グラフと年間騰落率。2021年4月の14,681円から2026年4月の35,924円へ約2.4倍。年間騰落率は+15.5%、+3.6%、+36.7%、+1.1%、+48.0%とばらつきが大きい
5年で約2.4倍。ただし年ごとの騰落率は+1.1%〜+48.0%と大きくばらつく

5年前に買った1万口は約2.4倍になりました。ただし表をよく見ると、+48.0%の当期の前の年はわずか+1.1%。「毎年48%増える」わけではなく、凪の年と大漁の年の平均として増えていく——この5年分の数字がそれを雄弁に語っています。

3. お金の流れ ― 純資産11.3兆円、1年で約2.1倍

純資産総額11兆2,878億円(前期末5兆3,176億円から約2.1倍)
期中の追加設定(買われた額)1兆1,492億円
期中の解約(売られた額)1,981億円
差し引きの純流入約9,511億円(買い:売り ≒ 5.8:1)

相場上昇に加えて、1年間で約9,500億円の「新しいお金」が流れ込みました。解約の5.8倍の買いが入り続けている——積立投資の定着ぶりが数字に出ています。

4. 中身 ― 実質2,500銘柄超、トップはやはり米国テック

組入ファンド組入比率期中騰落率銘柄数
外国株式マザー(先進国)83.0%+45.7%1,169
新興国株式マザー12.0%+67.7%1,182
日本株式マザー5.0%+47.0%179
オルカンの中身の構成図。外国株式83%・新興国株式12%・日本株式5%の3つのマザーファンドで構成され、合計銘柄数は約2,530。それぞれの期中騰落率は+45.7%、+67.7%、+47.0%
中身は3つのインデックスファンドの組み合わせ。実質約2,530銘柄に分散

意外な数字は新興国の+67.7%。当期いちばん働いたのは、比率12%の新興国部分でした。組入上位の顔ぶれは以下のとおりです(外国・新興国マザーのデータは2025年5月12日現在、日本マザーは2026年4月27日現在)。

先進国 上位5新興国 上位3日本 上位3
1マイクロソフト 4.6%TSMC 9.2%三菱UFJ FG 4.0%
2アップル 4.5%テンセント 4.9%トヨタ自動車 3.7%
3エヌビディア 4.3%アリババ 3.0%日立製作所 3.1%
4アマゾン 2.7%
5メタ 1.9%

※比率は各マザーファンド内での構成比。先進国マザーの国別配分はアメリカが73.0%です。

5. コスト ― 100万円あたり年700円

総経費率(年率)0.07%(投信会社0.02+販売会社0.02+受託会社0.02+その他0.01)
1万口当たりの費用合計26円(信託報酬18円+売買手数料1円+取引税3円+その他4円)
100万円投資した場合の目安総経費率ベースで年約700円(売買コスト等まで含めると約850円)
オルカンのコストを示す図解。総経費率は年0.07%で、100万円を1年間預けた場合の負担は約700円。コーヒー1〜2杯分で全世界2,500銘柄の運用を任せられる
100万円あたり年約700円。全世界2,500銘柄の管理コストとしては破格

100万円を1年間まるごと任せて約700円。コーヒー1〜2杯分で、世界約2,500銘柄への分散投資が回り続けます。この価格競争の恩恵を、私たちは静かに受け取っています。

6. リスクの数字 ― 「振れ幅」も報告書は教えてくれる

過去5年の1年騰落率(2021/4末〜2026/3末)当ファンド
最大+48.7%
平均+21.5%
最小▲5.6%

直近が絶好調な今こそ確認しておきたい数字です。過去5年でもマイナス5.6%の1年がありましたし、もっと長い歴史では▲30%級の年も普通に起こります。+48%の年の隣に▲5%の年が並ぶのが株式投資の正常運転——報告書はそれを毎年、静かに教えてくれます。

7. まとめ ― 第8期を数字10個で

① 騰落率+48.0%② ベンチマーク差+0.2pt
③ 基準価額35,924円④ 5年で約2.4倍
⑤ 純資産11.3兆円⑥ 年間純流入約9,511億円
⑦ 実質銘柄数約2,530⑧ 米国比率(先進国内)73.0%
⑨ 総経費率0.07%⑩ 分配金0円

私自身は高配当の個別株を「配当という現金収入の柱」、オルカンを「世界の成長を丸ごと受け取る柱」として並行して積み立てています。この両輪の後者が、低コストのまま巨大に、そして静かに育っている——20ページの報告書から拾った数字は、その安心材料として十分でした。来年もまた、数字だけでも眺めてみてください。3分で済みます。

免責事項

本記事は筆者個人の学習記録・見解を共有するものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載の数値は交付運用報告書(第8期)に基づいていますが、その正確性を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。

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