【追記】この記事で取り上げた「逆回転」はその後も続き、NT倍率は3営業日で17.00まで低下しました。続編「NT倍率17.5→17.0倍 ― あの日の「逆回転」は続いていた」で詳しく整理しています。(2026年7月7日追記)
本日2026年7月2日、「日経平均が大幅安」というニュースが流れました。ところが、です。私の保有株(高配当株中心)は、むしろ値上がりしています。「日経平均が1,700円を超えて下げているのに、自分のポートフォリオはプラス」——これは偶然ではなく、いまの相場の構造がそのまま表れた現象です。以前のコラムでも取り上げた「日経平均とTOPIXの乖離(NT倍率)」というテーマの、これ以上ない実例が出た日なので、あらためて整理しておきます。
今日、何が起きたか――指数が「逆方向」に動いた
| 指数 | 本日の動き | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均 | 68,733.15円 | −1,741.81円(−2.47%) |
| TOPIX | 4,014.98 | +3.48(+0.09%) |
| NT倍率(日経÷TOPIX) | 約17.1倍 | 前日の約17.6倍から低下 |
同じ日本株市場の指数なのに、日経平均は大きくマイナス、TOPIXはプラス。方向そのものが逆になりました。しかも日経平均は午後にかけて下げ幅を広げ、終値では1,700円を超える大幅安。それでもTOPIXはプラスを保って引けました。「日経平均が大幅安」という見出しだけを見ると相場全体が総崩れだったように感じますが、実際に大きく売られたのは一部の銘柄で、市場全体はほぼ横ばい〜プラス圏を保った一日でした。

なぜ逆方向になるのか――指数の「作り方」の違い
日経平均は、選ばれた225社の「株価」をもとにした平均です。株価の高い銘柄(値がさ株)の影響が大きく、東京エレクトロンやアドバンテストといったAI・半導体関連の値がさ株が下がると、ほかの多くの銘柄が上がっていても指数全体は大きく沈みます。今日の下げも、こうした一部の値がさ株が主導したものです。
一方、TOPIXは東証のほぼ全銘柄を「時価総額」で加重した指数です。銀行、商社、通信、建設といった市場の裾野が広く買われれば、半導体株が下がってもプラスになります。今日はまさにその形で、AI・半導体関連から、出遅れていたバリュー株・内需株・高配当株へ資金が移る「逆回転」が起きました。私の保有株が上がったのは、たまたまではなく、高配当・バリュー側に資金が流れてきたからです。
以前の乖離と今日の違い――「開く」から「縮む」へ
NT倍率(日経平均÷TOPIX)の長期平均は12倍前後とされますが、近年はAI・半導体相場を背景に16〜17倍台まで拡大し、歴史的な高水準になっていました。少数の値がさ株に資金が集中し、日経平均だけが先行して上がる——これが「乖離が開く」局面です。以前のコラムでこの仕組みを取り上げました。
今日はその逆で、NT倍率が17.6倍→17.1倍へと一気に低下、つまり乖離が「縮む」方向に大きく動いた一日でした。積み上がったAI・半導体の持ち高が売られ、その資金が市場の裾野に散らばる。象徴的なのは、指数の方向(プラスとマイナス)まで逆転した点です。乖離拡大の局面では「日経だけ上がって自分の株は置いていかれる」日が続きましたが、今日は反対に「日経は大幅安でも自分の株は上がる」日になった——同じコインの裏表です。
個人株主としての見解――指数は「自分のポートフォリオ」ではない
今日のような日にあらためて感じるのは、「日経平均=自分の資産の動き」ではない、ということです。日経平均が大幅安の日に慌てて証券口座をのぞいたら、むしろ評価額が増えていた。逆に、日経平均が高値更新のニュースに沸いた日に、自分の高配当株はほとんど動いていなかった——どちらも、指数と自分のポートフォリオの中身が違う以上、当たり前に起きることです。
注意したいのは、今日の「逆回転」が続くかどうかは誰にも分からない、という点です。AI・半導体相場が戻れば、また日経平均だけが先行し、高配当株が置いていかれる日も来るでしょう。私はどちらの局面でも、指数の見出しに一喜一憂せず、保有銘柄の業績と配当、そして利回りを基準に淡々と付き合っていくつもりです。指数のニュースは「市場のどこにお金が流れているか」を知る材料として使い、売買の理由にはしない。高配当・長期投資では、この距離感がいちばん心地よいと感じています。
※本記事は個人投資家による情報整理・意見であり、特定銘柄や指数連動商品の売買を推奨するものではありません。記載した数値は2026年7月2日時点の概算です。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

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