先日のコラム「日経平均は1,700円超の大幅安、なのにTOPIXはプラス」で、7月2日に起きた指数の”逆回転”を取り上げました。あれから3営業日。データを追いかけていると、あの日の動きが一日限りのハプニングではなく、続きのある「流れ」だったことが見えてきたので、続編として整理します。
NT倍率は3営業日で17.57 → 17.00へ
| 日付 | 日経平均 | TOPIX | NT倍率 |
|---|---|---|---|
| 6/30(火) | 70,062円 | 3,994.76 | 17.54 |
| 7/1(水) | 70,475円 | 4,011.50 | 17.57(ピーク) |
| 7/2(木) | 68,733円 | 4,014.98 | 17.12 |
| 7/3(金) | 69,744円 | 4,064.60 | 17.16 |
| 7/6(月) | 69,738円 | 4,101.96 | 17.00 |

NT倍率(日経平均をTOPIXで割った値)は、7月1日の17.57をピークに、3営業日で17.00まで約3%低下しました。7月2日の急低下のあと、「一時的なリバランスならすぐ戻る」はずのところ、戻るどころかさらに下げている——ここがポイントです。
中身を見ると「日経が弱い」のではなく「TOPIXが強い」
NT倍率の低下と聞くと「日経平均が売られているのか」と思いがちですが、この数日の中身は逆です。日経平均は7月1日の70,475円をまだ回復できていない(7/6終値69,738円、▲1.0%)一方で、TOPIXは7月2日以降も上げ続けて4営業日続伸。4,011→4,102へと2%以上上昇し、高値を更新する勢いです。つまり「相場が崩れて乖離が縮んだ」のではなく、市場全体はむしろ強く、AI・半導体の値がさ株だけが調整している——前回の記事で書いた構図が、そのまま続いています。

行き先は、銀行・商社・通信・建設といった内需・バリュー系、そして高配当株です。私のポートフォリオ(高配当株中心)もこの数日は追い風を受けており、日経平均のさえない見出しとは裏腹に、評価額は静かに増えています。前回「指数は自分のポートフォリオではない」と書きましたが、その続きが今も進行している形です。
背景:これは日本だけの現象ではない
同じことは米国市場でも起きています。直近の米国市場は「NYダウは最高値圏、ナスダックは半導体株安で続落」という組み合わせで、AI関連の高いバリュエーションを警戒した資金が、配当株・バリュー株側へ移る動きが世界同時に進んでいます。日本のNT倍率の低下は、そのグローバルなローテーションの日本版と捉えるのが自然だと思います。
ただし「17.00」はまだ歴史的な高水準
ここで冷静になっておきたいのは、水準感です。NT倍率の長期平均は12倍前後とされ、この1年でもおおむね16〜17.5倍のレンジでした。17.57→17.00への低下は「レンジ上限からの一歩後退」であって、乖離が解消されたわけではありません。数少ない値がさ株に資金が集中してきた構造は、まだ大きくは変わっていないのです。
したがって、ここから先は両方の可能性があります。ローテーションがさらに続いてNT倍率が一段と下がる(バリュー・高配当に追い風が続く)可能性もあれば、AI・半導体が決算などをきっかけに反発し、NT倍率がするっと元のレンジに戻る可能性もある。今は「どちらに転ぶか分からない中間地点」というのが正直な見立てです。
個人株主としての見解
追い風は素直にうれしいものですが、「バリューの時代が来た」と断定して何かを大きく変えるつもりはありません。ローテーションは自分でコントロールできない要素であり、いつ逆流するかも読めないからです。やることは前回と変わらず——保有銘柄の業績と配当を確認し、納得できる利回りで淡々と持ち続ける。NT倍率は売買の理由にするのではなく、「いま市場のお金がどこに流れているか」を知るための温度計として、これからも定点観測を楽しみたいと思います。
※本記事は個人投資家による情報整理・意見であり、特定銘柄や指数連動商品の売買を推奨するものではありません。記載した数値は2026年7月6日終値までのデータに基づく概算です。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。


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